ホワイトロッペン (ニンニク)
目次
ニンニク
当園のニンニクは、ホワイトロッペン系の品種です。
2023年の収穫時は、購入した種球からの収穫ですが、その後は収穫した種球を栽培することで、梁川町に合ったニンニクを育ててまいります。
この品種を採用した理由は、当園のある東北の地に適した品種であるという事が一番大きいです。
当園のある福島県も東北では南方にある県ですが、里山に位置するからか寒暖差は比較的大きく、寒冷地に近い環境にあるため、この品種を継いでいこうと考えました。
ちなみにニンニクは、ヒガンバナ科で、ネギの仲間(ネギ属)で、種としての分類はニンニクなのですが、ジャンボニンニク(無臭ニンニクとも)とは分類が違います。
ジャンボニンニクは、同じヒガンバナ科・ネギ属ですが、種はニンニクではなく、リーキという、どちらかというと西洋の長ネギ寄りの作物です。
味について
ニンニクは、一般的に収穫後、約1か月ほど乾燥させてから出荷します。
重さにして30%ほど水分を飛ばしてから出荷するとも言われています。
そのため、乾燥後のニンニクは水分が収穫直後より少なく、旨味が凝縮されていて、濃い味と辛味が楽しめます。
一方で、採れたてのニンニクは水分量が多いせいか、辛味はもちろんですが、香りの輪郭がしっかりとしています。すりおろして、薬味に使用したり、スープの味付けに使うと料理の味が引き締まると思います。
生だとその風味がよりくっきり感じられるのですが、加熱すると、甘味が増し、味の奥行きが感じられます。
生で食べる場合は、カツオのタタキやカルパッチョにスライスした生のガーリックとして使ったり、すりおろして薬味に使用すると野菜本来の味を楽しめます。
生育の特徴
ニンニク全般に言えることですが(ネギも)、9月~10月に植えて、収穫は6月頃。ですので、栽培期間がとても長いです。
これはホワイトロッペンの特性なのか、当園の土壌の環境なのか、まだはっきりと分かりませんが、成長が非常にゆるやかです。
農園によっては定植した年には芽が出ることも多いようなのですが、当園では、定植した年には芽がほぼ出ずでした。
そのため、初年度の栽培を諦めていたのですが、翌年、春先になって芽が軒並み出てきました。
ただ、発芽確認の後も、成長はゆるやかだったと思います。
品種名 | 福地ホワイト六片/ホワイトロッペン |
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目 | キジカクシ目 |
科 | ヒガンバナ科 |
種 | ニンニク |
種の原産 | 中央アジア~エジプト |
播種期 | 9月〜11月 |
収穫期 | 5~6月 |
*播種期などの情報は地域によって差異があります
*初春の栽培にはトンネルやハウス等の温度管理が必要
栄養素
ニンニクで特徴的な栄養素はタマネギでも同様に知られるアリシンです。
食欲をかきたてる独特の香りの成分でもあるアリシンですが、ニンニクを刻んだりすりおろしにしたり、火を通すなどして、細胞を壊すことで、アイリンという物質が分解することで生成されるようです。
このアリシンには抗酸化作用や疲労回復効果、血液をサラサラに保つ効果と、さまざまな効果があることで知られています。
ちなみに、このアリシンは、硫化アリルという物質の一種です。硫化アリルが体内で分解されアリシンに変わるという話もあるようですが、細かい点は、別途調べてみます。
ここで「ちなみに」をお話したいのは、この「硫化アリル」という成分は、タマネギの辛味成分・涙を流させる成分・強い香りの成分なのですが、睡眠を促す成分でもあるということなんです。
なので、寝る前に生のスライスオニオンを食べると熟睡できます。
これは、私も実践済で、かなりの確率で眠くなるので、疲れている方には、生のスライスオニオンがオススメです。
アルコールやカフェインを摂取して興奮状態にある場合は効果が無いか、薄れるので、避けてください。
スライスオニオンを食べなくても、その香りをかぐだけでも効果があるようですので、寝室にスライスオニオンを置いてみてもよいかもしれません。私は試したことはありませんが、そのような安眠法があるようです。
そして、この硫化アリルは、(アリシンもその一種なので)ニンニクにも含まれていますので、もしかしたら生のニンニクでも同様の効果を得る事ができるかもしれません。
ニンニクと聞くと、スパイシーでパンチのある香りという印象を受けるかもしれませんが、含まれる硫化アリルという成分は、リラックス効果もあるのかもです。
スパイスやハーブの力はすごいですね。
現代農業の記事にも、疲労回復野菜💪として紹介されています。
食べ方・レシピ
フレッシュで強い辛味と香りを試したい方は、スライスやみじん切りにしてサラダやカルパッチョや、冷奴などの薬味としてお召し上がりください。
炒め物やカレーやスープに利用する場合は、始めに油と一緒に炒めることで香りを抽出して油に移す(テンパリング)という工程を踏むと、香りとニンニクの甘さやコクを引き出せます。
一方で、カレーやスープを作る際に、具材を入れるタイミングと同時に投入して煮込むとパンチのある香りが引き出せます。
ちなみに、ニンニクの目玉栄養素であるアリシンは、油と一緒に料理することで分解されにくくなる特徴があるようです。
調理のはじめに油と一緒に香りを抽出するプロセスは、栄養面でも理にかなっているみたいですね。
ただ、高温での加熱より80度くらいでの加熱の方がこの効果がありそうです。
これはカボチャやジャガイモの甘さを引き出す温度も同様です(こちらはアミラーゼという酵素がでんぷんを分解して甘さに変えてくれます)。
保存方法
冷蔵庫の野菜室やチルドルームでの保存か、湿度が高くなければ冷暗所でも保存可能です。
当園の自宅では、季節にもよりますが常温でも1~2か月は問題なく保存できます。
冷凍することで長期保存も可能です。
なお、これは、ニンニクの芽でも可能のようで、他の農家さんから教えて頂きました。
私はまだ試したことがないのですが、試してみたら情報を更新したいと思います。
価格
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